人工甘味料が身体に良いか悪いかの論議前に考えるべき事
『人工甘味料が耐糖能異常を引き起こして糖尿病を引き起こす可能性 Gigazineさん』はじめ、多くのメディアで人工甘味料が糖尿病の原因になるという研究結果がネイチャー誌に発表された事を報じています。
人工甘味料とは、サッカリン・スクラロース・アスパルテームなどの名称で知られている物質で、カロリー0や、糖質0商品に使われている物質ですが、近年その危険性も各方面から訴えられています。
その影響か、アメリカのコカ・コーラ社の『ダイエットコーラ』は売上3%減、競合するペプシでは、6.2%減だったそうです。通常のコーラも売上は下がったが、下がった率で見た時にはダイエットコーラの方が下がっていたとの事です。(参考:「人工甘味料は安全」、コカ・コーラが全米で広告キャンペーン)
今回、ネイチャー誌に掲載された研究はマウスでの実験が主で、人間での実験は7人に止まっている事から、その信頼性にはまだまだ乏しいとしながらも人工甘味料が糖尿病の原因になる可能性について示唆しています。
しかし、私はそんな議論の前に考えるべき事があるのではないかと感じたため、読者様の食生活に警告する意味も踏まえて今回考えた事をご紹介したいと思います。
そもそも人工甘味料が必要になった理由
そもそも人工甘味料はなぜ必要なのか?それは特にアメリカで肥満人口が増え、カロリーや糖質を減らさなければならない人が増えたからでしょう。しかし、糖質を『止められない』人の為に、糖質を含まない甘味料があれば良いのにという人間の欲求に答える形で生まれたものです。
肥満(かくれ肥満含む)と糖尿病はセットで発症するケースが多いですから、食後の血糖値の上昇がなければ、その患者にとって有益なものになるでしょう。ちなみに味の素さんの社内データで、人工甘味料が、ブドウ糖に比べ血糖値の上昇が少ないと公表されています。(下図参照)
(図:「カロリーセーブ」とアミノ酸の関係 味の素さん)
今回、ネイチャー誌で発表された内容とは正反対のデータではありますが、もし本当なら素晴らしい発明であることは間違いありません。
大切なのは代替することか?
しかし、大切なのは糖質が摂取できないから、糖質の代替品を摂取すべきなのか?という疑問が湧いてきます。
糖質は人間にとって必要な栄養素ですから、毎日必要なだけ摂取すれば肥満にも糖尿病にもならないはずです。問題は『摂取しすぎている事』ではないでしょうか。
ちなみに、糖尿病は『糖質の摂取量』だけでなく『睡眠時間』にも左右される病気だという調査もあるようです。(参考:平均睡眠時間を1時間減らすと糖尿病・ガンに関する遺伝子が活発になることが判明 Gigazineさん)
食事・運動・睡眠が人間の健康にとって大切な要素であることは今更言う必要はありません。仮に人工甘味料が絶対的に安全で、それで代替したとしても睡眠不足が続けば糖尿病のリスクは高まるわけですし、運動不足と糖尿病の関連性についても疑う余地はないでしょう。(参考:糖尿病患者さんの指導の実際 糖尿病ネットワークさん)
大切なのは必要量だけ摂取するということだと思うのです。
まとめ
私も現在ダイエット中です。つまり、糖質やカロリーの摂取し過ぎがたたっていますし、運動不足がたたっていますし、睡眠の環境も良いとは言えません。
私は職業柄だけでなく、昔の持病の関係からも人より健康に対する意識は高い方だと思います。
しかしそんな私が、また世の中の多くの方がダイエットに成功しないのには訳があります。今の時代に食品を含む『物が溢れている』からだと思います。
昔に比べると非常に便利な世の中ですし、お腹を減らす事も少なくなりました。しかし、お腹はすくのが当たり前なのです。白砂糖は麻薬だから食べ過ぎてしまう、ポテトチップスの添加物にはやめられない作用があるなどと言われたりもしますが、そもそも昔と比べて『空腹時間』が格段に減少して、『空腹に対する耐性』がなくなったことこそ、この不健康社会が到来している理由ではないでしょうか。
『1日3食をやめなさい』『3食食べなければ多くの病気は治る』といった書籍も多く出版されるようになりました。その真偽のほどは別として、必要量の摂取に留めれば多くの病気が防ぐ大きな理由にはなるでしょう。
是非、人工甘味料に置き換えるという選択ではなく、根本から健康を目指すという考え方にシフトチェンジして頂ければと思います。
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