生理痛解消には布ナプキンが良いのは本当かを検証した結果
昨今、布ナプキン、布おむつ。昔に戻る事を推奨する方が多数いらっしゃいます。この方々の言い分は、紙ナプキンに含まれる化学物質による悪影響で生理痛が起こっているというものです。
私も以前、『PMS・生理痛で悩む方が取り組むべき3つの対策』というエントリーにて、(科学的根拠はないが)生理痛解消に布ナプキンが良いかも?という内容を紹介しました。もちろん布ナプキンが合う方もいらっしゃるでしょう。しかし、私の最近の見解は生理痛解消の為にはならないという結論を持っています。
今回は布ナプキンが良いと言っているご意見を反証し、生理痛解消について、布ナプキンを利用する事は無意味であるというご紹介をしたいと思います。
布ナプキンを肯定する意見
布ナプキンを推奨されている方の意見は、(紙ナプキンと対比して)大きく分けて以下の3つに集約されます。
紙ナプキンの化学物質が問題
紙ナプキンの吸水作用に働く化学物質が膣から入り、子宮に溜る。そのことで、子宮がうまく働かず、生理痛が起こる、不妊になりやすい,
子宮内膜症などの病気になりやすいなどの意見があります。また、冷えピタと同じ成分(高含水性基剤PAC-55)が入っており冷えるとの意見があります。
紙ナプキンのせいで月経コントロールができなくなった
江戸時代の頃の女性は月経血をトイレに行った際に出すようにコントロールできていたというお話です。布ナプキンにすることで洗う手間や、衛生面の問題を気にする事でコントロールしやすくなるという意見があります。
紙ナプキンは蒸れる・かぶれる
綿は通気性が良いので蒸れにくく、紙ナプキンから布に変えると、かぶれなどもなくなった。また紙ナプキンは石油由来成分で作られているのでそれが原因でかぶれやすいという意見があります。
布ナプキンを肯定する意見についての反対意見
確かに布ナプキンを肯定する意見がわからないではありません。実際に使われている感想を見ると、そうなのかなぁとも思ってしまいます。
しかし、これら感想が本当に布ナプキンを使う事によって改善されたのかという科学的根拠が一切ないことが気になります。医師や研究者が論文として発表しているものが1つも見当たりません。
そして、これらの意見の出所が販売店だったりする事も多々あるのです。商売の為に曲げられた情報という可能性を考え、今回は布ナプキンを肯定する意見に反論してみます。
紙ナプキンの化学物質は身体に悪いか?
『冷えピタ』という名称が、局所を冷やすというイメージを与えていますが、高含水性基剤PAC-55は吸熱の成分ではなく水分を気化させる成分です。気化させる際に熱を発散させることが目的です。つまり、水分(冷えピタの場合は汗)がなければ冷えません。冷えピタで冷えるのは冷蔵庫で保管している人が多いからではないでしょうか?
化学物質が膣から入り…という部分ですが、多くの場合『経皮毒』と関連して説明されているケースが多いようです。
確かに経皮毒はあるでしょう。しかし、考えてみて下さい。経皮毒よりも、明らかに問題が大きいのが経口毒ではないですか?(腸から体内に直接吸収されるため。)食品添加物や、自然の物でも人体に有害な毒物は山ほどあります。それらを差し置いて、経皮毒が問題になる可能性は少ないのではないでしょうか?(※ちなみにこの『経皮毒』というワードを使い化粧品販売を行っていた業者が業務停止命令を受けたという事件もありました。)
もちろん、化学物質が使用されていない方が安心でしょう。科学的根拠はないとは言え、予防という観点では紙ナプキンを使わないにこしたことはありません。
紙ナプキンの便利さを差し引いても予防したい方は是非布ナプキンを使用されたら良いのではないかと思います。
月経コントロールは紙ナプキンのせいでできなくなったのか?
現状、江戸時代の方が生きておられないので本当のことはわかりません。仮に江戸時代の女性が月経コントロールができていた想定のもとで、何故それが可能だったかという事を考えてみました。
当時はもちろん紙ナプキンなどはなかったでしょう。全員が布ナプキンだったはずです。ですから、頻繁に変える必要があったはずです。また、当時の女性の着物は和服です。庶民で大した和服ではなくとも、トイレの手間は今よりも大変だったのではないかと想像できます。コントロールで来た方が紙ナプキンが普及している現代と比べ間違いなく楽だったはずです。というよりも出来なければならなかったのかも。
では、江戸時代の女性は何故出来たのか?あくまでも想像ですが、理由は2つ考えられます。『そうせざるを得なかった』ことと、『骨盤底筋を含む膣を締める筋力が発達していた事と、それを手助けする衣服だった』ことです。
火事場の馬鹿力だったり、締切り前の徹夜だったり、人は追いつめられるとそれをクリアするために行動しようとします。必要に迫られて膣を締める力を身につけたことが考えられます。
また、現代女性に比べて筋力が強かった事は容易に想像がつきますし、着物の帯により腹部を圧迫する事で常に腹筋や骨盤底筋を緊張させた状態だったと考えられます。
仮に江戸時代の人が本当に月経コントロールができていたとしたら、そういう理由ではないでしょうか。現代日本人女性が布ナプキンに変えた所でそれが条件にはならないと考えられます。
布ナプキンは蒸れないか?かぶれないか?
綿であるから紙に比べ通気性は良いでしょう。しかし、綿も水分を含んでしまえば通気性は悪くなるので蒸れ具合は結局一緒なのではないかと考えられます。
しかし、布ナプキンに変える事でかぶれなくなったという声が多いのも事実。それが紙ナプキンの化学物質が原因だとするならば、あなたの下着は綿やシルクだけですか?ポリエステルなどは含まれていないでしょうか?ポリエステルなども立派な石油由来成分であり、かぶれの原因になる可能性があります。
下着が綿やシルクしか使用していない人が、布ナプキンに変えたらかぶれなくなったというのであれば分ります。
化学物質や、紙ナプキンのギャザー部分に対し敏感な方はかぶれやすいので布ナプキンにした方がいいかもしれませんが、そうでなければ関係ない様な気がします。
布ナプキン最大の欠点
ここまで、布ナプキンを肯定される意見に対する反論をしましたが、布ナプキンには最大のデメリットとは何か?考えた事無い人の方が多いと思うのですが、それは『感染症』の問題です。
布ナプキン肯定意見を述べる人、誰一人この問題を取り上げて、安全性を説明されている方がいらっしゃいませんでした。
また、その他にも『洗い方の問題』『捨て方の問題』『(ダイオキシンは出ないが)別の環境問題』など様々な問題点があります。
これらの問題点を肯定意見の方々は全くおっしゃっていません。これらの問題点に関しては以下のサイトをご参照下さい。(参考:布ナプキンの安全性)
まとめ
物事には色々な側面があり、そのどちら側にも主張したい事があるのはわかります。しかし、商売を目的に事実をねじ曲げて、或いは伝えるべき事実を隠して販売されては消費者はたまったものではありません。
しかし、残念ながら今の世の中はそのような時代です。消費者にも自分で正しい事実を追求する目が必要になってきました。
是非、皆さんもその意見を短絡的に事実として受け止めず、別の意見にも目を向けてみるようにしてみてはいかがでしょうか?
また、このブログは布ナプキンを否定するものではありません。様々な問題点をクリアする手間を惜しんででも、化学物質や石油由来成分から遠ざかりたい方にはおススメです。肌触りもいいでしょうし、濡れる前なら通気性も良いですから蒸れにくいはずです。
最近はデザイン性の高いものも沢山売られている様なので、検討の価値はあると思います。
また、小さなお子様のいらっしゃるご家庭では、同じ理由で布おむつも良いかもしれませんね。(お母さんの手間100倍くらいになるとは思いますが…)
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